過失相殺について

交通事故の損害賠償額を決める際に「過失相殺」という言葉を耳にする機会がしばしばあります。この言葉は法律用語で、債務不履行や不法行為などの責任に対する損害賠償額を決める際、債権者や被害者の側にも一定以上の過失があると認められる場合に、損害賠償額から過失の分だけ減額することを指します。日本の法律では、民法第418条に債務不履行に対する過失の相殺についての規定が、民法第722条2項に不法行為に対する過失の相殺についての規定が明記されています。
発生した交通事故で加害者と被害者の両方が存在し、加害者と被害者の双方に何らかの過失がある場合は、加害者と被害者の過失割合を過去の裁判例を参考にしながら決定し、損害賠償額に反映させます。過失割合によって相殺される損害賠償額は自賠責保険と任意保険では異なっており、自賠責保険では被害者の過失が7割未満であれば相殺は行われませんが、任意保険では過失割合通りに相殺が行われます。自賠責保険と任意保険で相殺のされ方が異なっているのは、自賠責保険が交通事故の被害者保護を重視している保険なのに対し、任意保険は人身事故における自賠責保険の上限額を超過する部分の自己負担を補うことと、物損事故における損害賠償額の負担を補うのが目的の保険となっていて、性質が異なるためです。

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